第137回 水分補給
2009.6.15
水分補給の意味の2つ目は、集中力の維持です。暑い日というのは、それだけで集中力が低下しがちですね。頭がぼんやりとしてしまう前に、何かを口にすることでそれを防ぎます。そういった時には疲れやすさはあまり考えずに、冷たいものを口にすることが効果的です。もちろんそれを一気に大量摂取することは良くないと思いますが、気持ちを前に向けるための手段として必要なことです。水分補給のほかにも、冷たく濡れたタオルで顔や首を拭くといったことも選手に促すようにしています。冷たいペットボトルを額に当てるなんてことも良いのではないでしょうか。
そして最後は、間を作るということ。緊張感の漂う中や悪天候時のラウンドは、気づくとプレーが速くなってしまいがちです。そこで、次のショット地点について早々にクラブを抜くのではなく、その都度ある一定の間をおくことでプレーのリズムが速くなるのを防ぐのです。そのために、まずペットボトルを選手に差し出します。選手はほぼ無意識にそれを受け取り、一口飲むか飲まないかの程度を口にします。その時の選手の目を見ればわかりますが、それが集中の妨げになっている様子は微塵もありません。ペットボトルで何かを飲むという動作は、体にとって全く違和感の無い当たり前のことなのでしょう。それを利用しない手はありません。一定の間を置くために、最も有効的な手段が水分補給なのです。